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中国、一部ステンレス鋼管へのアンチダンピング関税を撤廃(EU)

●EU

2016年8月23日の欧州委員会の発表によれば、中国政府は欧州連合(EU)から輸出される高性能ステンレス継目無鋼管(HP-SSST)に対して追加的に課していたアンチダンピング関税を8月22日に撤廃するとの発表を行いました。

 

本件鋼管に対するアンチダンピング関税を巡る問題は、2013年4月我が国が世界貿易機関(WTO)の紛争解決機関(DSB)に対して本件措置はWTOのルールに違反しているとして訴えたもので、EUはその後本件に加わりました。

 

問題とされたステンレス鋼管へのアンチダンピング関税の適用は中国政府が2012年11月に決定し、5年間にわたる措置とされていました。

 

WTOでの審理は紛争解決手続きの第一審に当たる紛争解決小委員会(パネル)及びその控訴審に当たる上級委員会において行われ、それぞれ2015年2月及び10月に報告書が公表され、これら報告書は2015年10月28日に開催された紛争解決機関(DSB)において採択されました。

 

WTOのルールでは、アンチダンピング関税の発動の要件として、公正な価格以下の安値で輸出されることに加えて、そのような輸出によって輸入国の国内産業が損害を被っていることが定められていますが、報告書では中国はダンピングマージンの算定や国内産業への損害の認定についていずれもWTOのルールに基づいた方式を採用しておらず、WTOのルールに違反するとして是正措置を求める内容となっています。

 

中国は、DSBでの決定を受け、本年8月22日までに是正措置を実施するとしていました。

 

欧州委員会は、本件に関する中国の対応はHP-SSSTの製造企業にとって朗報であるとし、中国がWTO上の厳格なルールに基づいて貿易上の措置を適用しているかどうか、今後とも厳重に監視したいと述べています。

 

日本政府(経済産業省)も同日付けのプレスリリースで、中国側の取った措置について「我が国から輸出される高性能な製品と中国産の製品は性能やグレードが異なり中国市場で代替性がないにもかかわらず、中国当局がそうした違いを十分に考慮することなく我が国からの輸出が中国の産業に損害を与えたとの認定を行ったことが違反とされた点に大きな意義がある」とし、さらに「WTOの紛争解決手続の有効性が改めて確認されるとともに、近年新興国においてアンチダンピング課税措置が増加傾向にある中、WTOルールの明確化を通して恣意的又は不透明なアンチダンピング課税措置発動を抑制することについても大きな意義がある」と述べています。

 

(出典:2016年8月23日付けの欧州委員会プレスリリース及び経済産業省の発表より)