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WTOがロシアの関税措置2件についてWTOルール違反と判定(EU)

●EU

2016年8月12日、欧州委員会は、世界貿易機関(WTO)の紛争解決小委員会(パネル)に提訴したロシアの関税措置についてWTOのルールに違反しているとの判定が出されたことを発表しました。紛争解決小委員会(パネル)は紛争解決の第一審に当たります。欧州連合(EU)が問題とした品目は、紙製品、冷蔵庫及びパームオイルの一部で、ロシアがこれらの物品に適用している輸入関税はWTOのルールに違反しているとされました。

 

本件は、2014年10月EUがWTOの紛争解決機関に提訴してことに端を発しており、欧州委員会はEU側の主張が全面的に認められたとしています。

 

欧州委員会によれば、ロシアは2012年8月にWTOに加盟して以来、同国が加盟時に約束した事項の一部をいまだに履行しておらず、WTOの最も基本的なルールを無視しているとしています。本件はそのような例に該当し、紙製品の一部については従価税率5%の適用を約束しているにもかかわらず15%又は10%の関税率を適用しており、またそれ以外の本件で問題とされている物品については、従価税の適用を約束したにもかかわらず、従価税に代えて最低限の関税額が賦課されていると説明しています。

 

さらに、8月19日に発表された欧州委員会のプレスリリースによれば、EUがWTOに訴えたロシアの豚肉等の輸入禁止措置についてのパネル報告も出され、ロシアが、EUとベラルーシとの境界近くで見つかったアフリカ豚コレラ(ASF)を理由として2014年に導入したとされるEUからの豚肉等の輸入禁止措置は、国際的な基準に基づくものではなく、WTOの衛生植物検疫協定(SPS協定)の規定に違反しているとされました。EUが具体的にロシアに輸入禁止措置の撤廃を求めた品目には、生きた豚、生鮮の豚肉及び豚肉加工品の一部が含まれます。

 

欧州委員会は、2014年以降ロシアがEUの農産品等に対して取っている貿易制限措置は政治的な動機に基づくものであり、ロシアが国際的な義務についての認識を改め、恣意的に義務の履行を蔑ろにしないためにも本件についての決定は極めて重要であると述べています。

 

以上の2件のパネルの決定については、いずれかの当事国が60日以内に異議を申し立てなければ、ロシアはパネルの決定に従って是正措置を取る義務があります。EUがロシアを相手にWTOの訴えた案件としては、以上のほかに自動車のリサイクリングフィーの賦課、軽自動車に対してのダンピング防止関税の賦課がありますが、両案件に関しては紛争解決機関での手続きが継続中とされています。

 

(出典:2016年8月12日及び8月19日付けの欧州委員会のプレスリリース、同日付けのWTOのプレスリリースより)