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EUが中国の原材料の輸出制限措置をWTOに提訴(EU)

●EU

2016年7月19日、欧州委員会は、欧州の産業にとって不可欠な原材料に対して中国が輸出税等の形で規制措置を講じていることを問題として世界貿易機関(WTO)に提訴したことを発表しました。

 

レアアース等の輸出税については、2012年と2014年に類似の措置が取られましたが、今回の欧州連合(EU)の措置は黒鉛、コバルト、銅、鉛、クロム、マグネシア(酸化マグネシウム)、タルク、タンタル、錫、アンチモン及びインジウムの11品目を対象としたものです。

 

欧州委員会は、中国が現在適用している輸出税や輸出割当て等の一連の輸出規制措置によって中国以外の国の企業のアクセスが制限されており、これらの措置は市場を歪曲するもので、欧州連合等の企業や消費者を犠牲にして、中国企業を優遇しているとし、WTOのルール、さらには中国のWTO加盟時の約束に違反しているとしています。また、中国側が輸出制限措置を正当化するために主張している環境保全や原材料の持続可能な生産の必要性については貿易にマイナスの影響をもたらさないような別の方法によってより効果的にその目的が達成できるとも述べています。

 

今回のEUの協議申し入れは、米国政府も類似の申し入れを行っており、両案件についての協議は並行して行われることになろうと述べ、60日以内に今回の協議で双方に受け入れ可能な結果が得られなければ、EUは紛争解決手続きに従って裁判の一審に当たる紛争解決小委員会(パネル)の設置を求めることになろうとしています。

 

欧州委員会はその説明の中で、今回協議の対象となっている11品目の一部は、欧州経済にとって不可欠な原材料として2013年に特定された原材料に含まれているとしています。また、中国のこれらの原材料の輸出総額は約1.2兆ユーロに相当し、その六分の一は欧州向けに輸出されていること、とりあえずの分析では輸出税が撤廃されれば、1千9百万ユーロ相当の中国からの輸出増(9.2%増)が見込めること、さらに輸出税以外の数量規制等の措置も撤廃されればそのもたらす効果はさらに多くなる可能性があること等が述べられています。

 

欧州委員会の発表では、中国の輸出税の対象として、アンチモン、クロム、コバルト、銅、黒鉛、鉛、マグネシア、タルク、タンタル、及び錫の10品目が挙げられており、また輸出割当て等による数量規制の対象として、アンチモン、インジウム、マグネシア、タルク及び錫の5品目が挙げられています。

 

(出典:2016年7月19日付けの欧州委員会のプレスリリースより)