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欧州議会が中国の市場経済国としての認定に反対を決議(欧州議会)

●欧州議会

欧州議会は2016年5月10日付けのプレスリリースで、中国を市場経済国として認定するかどうかを巡り、欧州議会の議員は超党派で、「中国は市場経済国ではない」との意見が欧州理事会及び欧州委員会との会合において多数を占めたことを明らかにしました。

 

欧州議会は、中国の世界貿易機関(WTO)への加入議定書において、WTO加入後15年目に当たる2016年12月11日以降、中国は市場経済国としての認定を受けるとされていることを問題とし、中国の不公正な競争、特に中国からの輸入品に対するダンピング防止税等の措置の適用を今後どうすべきかという問題を中心に討議されたと説明されています。

 

発言した議員の多くは、中国企業に対する補助金の支給、国家補助の非開放性、需給関係を明らかに反映していない安値輸出等の諸点を指摘し、中国の過剰生産能力が低廉な輸出価格を可能にし、欧州経済、特に欧州の鉄鋼業界に多大な被害をもたらし、何十万人もの労働者が雇用不安を抱えていることを強調したとされています。

欧州議会は、欧州委員会に対して、中国からの輸入品のダンピング問題にどう対応するかに関する新たな提案を迅速に作成するよう求め、また中国に対しては市場経済とは認められない旨の明確なシグナルを送る必要があるとの発言もなされたとされています。

 

本件は2016年5月12日にも引き続き審議され、欧州連合の被っている被害とWTO協定、特にWTO加入議定書との間でのバランスの取れた提案を行うよう欧州委員会に求める決議が賛成546票、反対28票、棄権77票で可決されました。

 

議会での審議の過程で、欧州連合が現在適用している73件のダンピング防止関税のうち、中国からの輸入に対しては56件にも及んでいるとの指摘もなされ、中国の過剰生産能力とそれによって引き起こされる安値輸出によって、鉄鋼業界をはじめとして、すでに「欧州連合においては社会面、経済面、環境面での影響が強く出ている」として、欧州委員会に対して雇用、環境、経済成長等について産業界、労働組合、利害関係者の抱いている懸念についてその意見を聴取するよう求めています。

 

反面、中国の貿易パートナーとしての重要性についても指摘され、中国は欧州連合の2番目に大きな貿易パートナーであり、日々10億ユーロを超える貿易取引が中国との間で行われており、中国市場は欧州の多くの産業やブランドにとっては利益をもたらす主要なエンジンであるとの意見も出されたとされています。

 

また欧州委員会に対しては提案の作成に当たりWTO協定の解釈を共同で行うため主要な貿易パートナーと意見調整を行うよう求め、今後開催が予定されているG7やG20の場や欧州連合と中国のサミット会合の機会を活用してWTOルールと両立するような回答を出すよう求めています。

 

なお、欧州議会は、欧州委員会が中国を市場経済国として認める内容の提案を行った場合には、理事会との共同決定権を行使するとして、欧州委員会を強く牽制しています。本件は夏季休暇に入る前に審議される予定とされています。

 

(出典:2016年5月10日及び5月12日付けの欧州議会のプレスリリースより)

 

過去の関連ニュース
2016年2月16日 「中国の「市場経済国」としての認定を巡り協議を開始―ダンピング防止措置の適用問題―(EU)」