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世界の模倣品等の取引規模、年間5千億ドルに迫る―OECD及びEUIPOの試算発表―(OECD)

●OECD

2016年4月18日、経済協力開発機構(OECD)及び欧州連合知的財産庁(EUIPO)は、模倣品や海賊版等の輸入額は、世界総貿易額の約2.5%に相当する5,000億ドルに迫り、米国、イタリア及びフランスのブランドが最も大きな被害を受け、その利益の多くは組織犯罪グループに流れているとの分析結果を発表しました。

 

報告書では、2013年の1年間の世界総輸入額17.9兆ドルに対して、その約2.5%に相当する4,610億ドルが模倣品等の輸入総額とされ、特に欧州連合(EU)に輸入される貨物に占める模倣品等の比率は5%にも達するとされています。その原産国は中所得国や新興国が多く、特に中国が最大の生産国とされています。

 

模倣品等の輸入総額の試算は、2011年から2013年の3年間にわたる約50万件に及ぶ税関での差押え実績の分析から導き出した推計値とされています。OECDは2008年にも推計値を発表しましたが、当時の発表では模倣品等の世界総輸入額に占める比率は世界総貿易額の1.9%に相当する約2千億ドルとされていました。この推計値の違いに関しては、当時利用できるデータが不十分であり、分析方法も異なっていたことがその要因として挙げられていますが、それを差し引いても今回の推計値は過去の推計値を大きく上回る結果となっています。

 

OECD事務総局次長は、この報告書の発表に際し、今回の新たな報告書に示されていることは、模倣品等による被害は大企業や奢侈品の製造者に限られているというこれまでのイメージを覆すものである、また模倣品等を扱う業者は商標やブランドネームに対して人々が抱く信用を利用して経済を蝕み、生命を危険に晒すものであるとし、模倣品等の種類に至ってはハンドバッグ、香水の類から機械部品や化学品、さらにはイチゴやバナナにまで及んでいると説明しています。特に人の生命を危険に晒すものとして、自動車用の部品や医薬品、子供に有害な玩具、滋養成分を含有していない離乳食、正確な数値を表示しない健康器具等を挙げて注意を喚起しています。

 

また、新興経済は大規模な貿易を行うためのインフラを整備する傾向があるが、このような経済は往々にしてガバナンス上の問題を抱え、また模倣品等の対策に取り組むための組織面及び能力面での問題を抱えているとも述べられています。さらに中国は模倣品等を最も多く製造しているとしながらも、同国の最先端の革新的な企業もまた模倣品等から被害を受けているとも述べています。

 

2011年から2013年の間の税関の差押え統計からみて、知的財産権の侵害により最も大きな被害を受けた国は米国で、ブランドや特許が侵害された企業の割合は20%に及んでおり、またイタリアは15%、フランスとスイスはそれぞれ12%、日本とドイツは各8%、その他英国(4%)、ルクセンブルグ(3%)、フィンランド(2%)、スペイン(2%)、ベルギー(2%)、中国(1%)がこれに続いています。

 

模倣品等の取引の形態に関しては、郵便路線を使った取引の比率は2011年から2013年の3年間についてみると差押え件数の62%を占め、最も多く利用された方法で、国際的にオンラインを使った取引の比重が高まってきていることを表していると説明されています。取引のルートは、近年複雑化しており、香港やシンガポールのような大きなハブ港を経由させるものや、アラブ首長国連邦等のフリートレードゾーンを経由させるものが見受けられるとされています。以上のほかアフガニスタンやシリアのようにガバナンス上の問題のある国や組織犯罪グループの勢力が強い地域を経由するものもあるとされています。このようなルートは随時変更され、模倣品等を扱う者は取締面が脆弱なポイントを見つけ新たなルートを開拓しているとも説明されています。

 

なお、この報告書では商標権、意匠権、特許権を侵害する模倣品や著作権を侵害する海賊版等の有形の侵害品が含まれていますが、オンライン上で行われる海賊行為は分析の対象からは除外されています。

 

(出典:2016年4月18日付けのOECDのプレスリリースより)