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オバマ政権の「2016年通商政策アジェンダ」を発表(USTR)

●USTR

米通商代表部(USTR)は、2016年3月2日、オバマ政権の通商政策上の課題を取り上げた「2016年通商政策アジェンダ」を発表しました。

 

今年のアジェンダの中では、最優先とされる課題として、先般合意された環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)の米議会通過があげられています。TPP協定に関しては、様々な指標を用いてこの協定の米国にもたらすメリットが説明され、18,000品目に及ぶ関税の撤廃等や米国のイノベーション、労働者、環境等を保護するために設定されている高い基準等の重要性が取り上げられています。そして、最近の調査結果を引用し、この協定によって米国の労働者の賃金は引き上げられ、2030年までに米国経済は年間1,300億ドルを超える規模の拡大が実現されるとの試算を紹介しています。

 

アジェンダの2点目として、2016年に取り組むTPP以外の優先的な事項が説明され、その中には、通商政策を梃として米国が世界における確固たる地位を築くこと、特恵制度や世界貿易機関(WTO)での取組みを通して持続可能で、包括的な経済成長を促進すること、国内市場を含めあらゆる市場において経済上の活動機会を拡大するため通商及び投資分野での連携を強化すること、今般超党派で成立した「2015年貿易円滑化及び権利行使に関する法律」において設けられている強力なツールを活用して、米国の通商協定上の権利を行使し、貿易相手国に対して通商協定上の義務の履行を求めること等が挙げられています。そして、環大西洋貿易投資パートナーシップ(T-TIP)から環境物品協定に至る多くの領域で弾みをつけることができれば、2016年は米国の通商政策上の歴史的な年となるとしています。

 

さらに、オバマ政権の通商上の重要な実績が取り上げられ、これまでの7年間の政権下で米国の最大の輸出市場であり、最も急速に拡大している市場を開放するために取り組んできたこと、執行上の措置を強化し、これを戦略的に使うことによって通商上の米国の権利を積極的に行使してきたこと、さらに議会と緊密に協働して、様々な措置をとったこと等の諸点が挙げられ、このような取り組みによって労働者が正当な報酬を受けることができるようになり、また今後の世界経済での米国の競争力の向上にも繋がったとしています。そして、その具体的な実績として、韓国、コロンビア及びパナマとの自由貿易協定の改定やその成立、WTOの紛争解決機関に対して他のどの国よりも多くの事案(20件に及ぶ)を提訴し、これまでの案件についてはすべて勝訴したこと、議会と協働して超党派の貿易促進権限法(TPA)を成立させ、また貿易調整支援(TAA)プログラムを改善したこと、一般特恵制度(GSP)及びアフリカ成長機会法(AGOA)を更新したこと、情報技術協定の対象品目の拡大、貿易円滑化協定の成立等WTOの活動の活性化を図ったこと等が挙げられています。

 

最後に、世界の状況は現状のままでとどまることはなく、更なる取組みが必要であるとし、米国以外の多くの国は世界で最も成長の著しい市場との間で通商協定を締結する方向に向かっており、アジア・太平洋地域だけをとってみても近年数多くの通商協定が締結されていること、このような趨勢が続けば、米国を抜きにして新たな通商や投資のモデルが確立され、米国の労働者や経済活動はこのような新たな市場の枠外で扱われる事態も想定されること、TPPやT-TIPの備えている高い基準に比べるとこのような新たなモデルは米国の利益や価値観を反映するとは必ずしも言えないこと等から、米国が手をこまねいてはならず、米国抜きでルール作りをさせてはいけないとし、米国は率先して知的財産や労働といった分野から国家所有企業の問題に至るまで、すべての事項について新たな国際的な基準を設定しなければならないと述べて、中でも特にTPPの重要性を強調し、暗に中国のリーダーシップに対する警戒感をにじませています。

 

出典:2016年3月2日付けのUSTRのプレスリリース及び同日発表の2016年貿易政策アジェンダより)