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新情報技術協定(ITA)について合意(WTO)

●WTO

ケニアの首都ナイロビで開催されていた第10回世界貿易機関(WTO)閣僚会議(2015年12月15日~19日)において、201品目に及ぶ情報技術関連の製品の関税を撤廃するためのスケジュール等を定めた新たな情報技術協定(ITA)が合意されました。WTO事務局の発表によれば、そのカバレッジは、年間の貿易取引額で1.3兆ドルに達し、全世界貿易額の約10%に相当し、自動車関係の貿易額、あるいは繊維品や衣類、鉄鋼製品を併せた貿易額を凌駕するとされています。

 

この新たな情報技術協定の交渉は、1996年に合意された現行情報技術協定の15年目の節目となる2012年に、新たな技術開発による商品を協定対象とするため対象品目の拡大を図る必要性が加盟国間で認識され、その後交渉が進められた結果、協定対象品目を現行の約140品目から大幅に拡大することが合意されました。現行協定の成立時には存在しなかった多くの品目が新たに追加され、新世代の半導体(MCO)、GPSナビシステム、半導体ウエハー製造装置、テレコム衛星、タッチスクリーン、ビデオゲーム機、最新の医療機器(MRIやCT等)等が対象に加えられています。

 

新協定では、今後の関税撤廃までのスケジュールが決められ、2016年7月1日までに協定対象とされた税目数の約65%(輸入額では約88%相当)の関税が撤廃され、その後3年間をかけて段階的に引き下げが行われ、2019年までには89%の税目(輸入額では約95%相当)の関税が撤廃され、一部のセンシティブ品目については5年間、さらにごく例外的な品目については7年間をかけて段階的に引き下げられ、最終的に全品目の関税撤廃は2024年に実現されることとなります。

 

また、情報技術分野での非関税障壁(NTB)についても今後取り上げること、さらに協定内容の陳腐化を防ぐため今後の技術開発を協定に反映させる形で対象品目を見直すことについても規定されています。

 

今回の合意は、WTO全加盟国によるものではなく、日本、米国、欧州連合、中国、韓国、台湾等を含む53か国による合意とされていますが、この53か国で協定対象品目の世界貿易額の90%程度をカバーしているとされています。この関税引き下げ、撤廃の恩恵は、最恵国待遇の原則によりWTO加盟のすべての国(162か国)に対して均霑されることとなります。なお、現行協定の加盟国数は82か国ですが、新協定はWTOの全加盟国に開放されており、今後加盟国が増えることも見込まれます。

 

WTOのアゼベド事務局長は、今回の協定はWTOにとって1996年以来の大きな関税引き下げとなるものであると述べ、今回の合意によって世界の貿易に多大のインパクトを与え、情報技術製品のすそ野を構成する産業や関連産業を含めると、更なる価格の引き下げ、雇用の創出をもたらし、世界経済の成長に大きく寄与するものであるとしてその意義を強調しています。

 

(2015年12月16日付けWTOのプレスリリース等より)