ホーム海外トピックス › 米国政府が遺伝子組換え食品等の輸入に係るEU提案に懸念を表明(USTR)

海外トピックス

Jtrade

貿易統計Web検索システム ジェイ・トレード

FAX&COPYサービス

統計品目番号を記して申し込めば、後はFAXを待つだけ!

貿易統計
データ提供サービス

貿易統計データを表計算ソフトに取り込み二次加工が容易に!

米国政府が遺伝子組換え食品等の輸入に係るEU提案に懸念を表明(USTR)

●USTR

2015年4月22日、米通商代表部(USTR)のフロマン代表は、欧州連合(EU)の遺伝子組換え食品や飼料の輸入承認手続について、いったんEUが科学的な根拠に基づいてその安全性等を判断して輸入を認めた食品や飼料を、EUの加盟国がそれぞれの判断で輸入するかどうかを決めることができるとする欧州委員会の修正案に対して強い遺憾の意を表しました。
同代表は、同日発表されたEUの新しい提案は、EUの国際的な義務と両立させることは難しい内容であり、特定の産品の流通についてEUを28の市場に分割するような案は欧州の域内市場の深化を目指すEUの方針とは相容れないと述べるとともに、米国とEUが環大西洋貿易投資パートナーシップ(T-TIP)を通じて経済の成長と雇用の創出の更なる機会を求めているときにこのような貿易制限的な措置を提案したことは建設的とはいえないとコメントしています。

 

本件は、遺伝子組換え食品等についてEUが貿易制限的な措置を講じたことを受けて、米国が世界貿易機関(WTO)に提訴し、2006年WTOの紛争解決手続きに基づいて設置されたパネル(紛争解決小委員会)の報告書で、遺伝子組換え食品等の輸入や栽培をEUの加盟国が禁止していることは、リスク評価に根拠を置いたものでないとしてWTOのルールに抵触しているとされたことにその端を発しています。
USTRは、今回の提案は世界中の国々に対して、その輸出面に限らず、経済面にもさまざまな影響を及ぼす可能性があるとし、EUは2014年には今回問題となっている産品を米国、アルゼンチン、ブラジル、カナダから総額31億ユーロ相当の輸入をしており、EUの不確実な措置が導入されればこのような産品の貿易を不必要に制限するおそれがあると強い懸念を表明しています。

 

欧州委員会の発表によれば、今回の提案の内容は、食品または飼料として遺伝子組換え食品等の輸入を認可するための意思決定プロセスの見直しを行った結果を反映させたもので、EUによって輸入が認められた遺伝子組換え食品等を各加盟国が使用するかどうかについては、各加盟国がそれぞれの領域内においてその使用を制限、あるいは禁止する措置をとる裁量をより幅広く認める制度に改めることを提案したものであると説明しています。そして、この新しいアプローチは、EU諸国の国民の遺伝子組換え食品等に対して抱いている危惧の念が国によって異なっていることを勘案したもので、EUの輸入認可制度と加盟国の使用判断の自由とのバランスを図ることを目指すもので、科学的な根拠等に基づく同一のレベルの保護を欧州全域にわたって確保するための単一のリスク管理制度についてはこれまで通りで変更がないと説明されています。

 

今回の提案が導入されれば、いったん遺伝子組換え食品等がEUにおいて食品または飼料として使用することが認められた場合でも、加盟国は特定の遺伝子組換え食品等の使用を認めるかどうかを選択することができることとなりますが、加盟国がその使用を認めないと判断するためには、EUのレベルで判定に使われた根拠(人や動物の健康や環境へのリスク等)以外の正当な理由に基づくものでなければならないとされています。
この提案は、通常の立法手続きにしたがって、欧州議会及び理事会に送付されることとなります。

 

(出典:2015年4月22日付けのUSTRのプレスリリース、同日付けの欧州委員会のプレスリリース等より)