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米超党派で貿易促進権限(TPA)法案を議会に提出(White House)

●White House(米大統領府)

米大統領に対して通商協定の締結交渉の権限を委任することを内容とした超党派の法案(“Bipartisan Congressional Trade Priorities and Accountability Act of 2015”)が2015年4月16日議会に提出されました。

 

この法案は、交渉中の通商協定、あるいは今後交渉する通商協定の内容について大統領に対して通商政策上の優先事項や通商交渉の目標についての議会の方針を明示し、交渉過程で議会や利害関係者、一般国民等に対してその交渉の内容について通報し、協議を行うよう行政府に求め、さらに通商協定を締結する場合の条件や手続き等を定めるとともに、通商協定の国内実施法案を議会で審議するための手続きを定めることをその中核としたものです。法案が成立すれば、この貿易促進権限(TPA)に基づいて行政府は通商協定の締結交渉を行い、協定が成立した場合には、議会は協定の内容を修正することはできず、一括してこれを承認するかしないかを決定することとなり、通商協定締結交渉にのぞむ米国政府の立場を強化することになるとされています。
この権限に基づいて通商協定を締結することができるのは2018年7月1日までとなっていますが、この権限が延長されれば2021年7月1日まで認められることとなり、最長で6年後の7月1日までとなります。

 

今回議会の上下両院に提出された貿易促進権限法案は、共和党のハッチ上院議員(財政委員長)、民主党のワイデン上院議員(財政委員会理事)及び共和党のライアン下院議員(歳入委員長)によって提出されたもので、オバマ大統領は、今回の法案の議会への提出を歓迎すると述べるとともに、通商交渉での最優先事項は米国民の利用できる機会を拡大することであるが、これまでの通商上の合意事項は必ずしもその約束に沿ったものではなかったことは周知のことであると述べ、そのため米国民のためになる通商協定に限ってこれに署名する方針をとるとしています。また95%もの潜在的な消費者が米国の外で生活している状況において、グローバルな経済ルール作りを行うのは我々であり、中国のような国であってはならないとし、米国が今後もグローバルな貿易上のルール作りを主導する決意を明確にしています。さらに、この法案が成立すれば、各国間の競争上の機会が均等化され、勤労者には公平な成功の機会が与えられるとし、そして今回初めてのことであるが労働者の権利、環境、さらには自由で開放的なインターネットについて権利行使可能で強力且つ完全な保護が与えられることになるとも述べています。そして最後に議会の民主党員や共和党員と協働してこの法案を成立させたいと述べています。

 

この法案では、通商協定締結交渉の目標として、デジタル時代における新たな物品やサービス貿易のあり方、衛生植物検疫や地理的表示等についての農業貿易ルール等の項目に加え、サイバー窃取や営業秘密(トレード・シークレット)の保護等を内容とする知的財産権のルール、国際的な労働基準等や環境問題に配慮した労働や環境の保護への取り組み、不当な補助金等の支給を受けている国家所有企業への対応等が明記され、さらに今回初めて貿易相手国が人為的に行う為替操作の防止に取り組むことも規定されている点が注目されます。

 

米通商代表部のフロマン代表は、このTPAによって、環太平洋経済パートナーシップ協定(TPP)や環大西洋貿易投資パートナーシップ協定のような通商協定の締結に一歩近づくことになると述べ、さらに貿易に関するルール作りは、米国の競争相手国ではなく米国が行わなければならないとも述べています。

 

(出典:2015年4月16日付けのホワイトハウス発表のプレスリリース、4月15日発表のUSTRのプレスリリース、米国議会発表の貿易促進権限法案等)