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貿易、投資の障壁、経済回復にかかわらず依然として存続 ―欧州連合の貿易投資障壁報告書―(EU)

●EU

2015年3月19日、欧州連合(EU)は5回目となる「貿易及び投資の障壁に関する報告書(TIBR)」を発表し、欧州連合の戦略的な経済パートナーとされるアルゼンチン、ブラジル、中国、インド、日本、ロシア、米国において依然として様々な障壁が維持され、欧州連合企業の通商や投資を妨げているとしています。
この報告書の公表に際し、欧州委員会で通商問題を担当しているマルムストロム委員は「長年にわたる経済的な混乱を経てグローバル経済は好転してきたが、このような状況にあっても、遺憾なことに依然として通商や投資面に多くの障壁が残されたままとなっている。均等な条件の下で各国が競争することはこれまで以上に重要になっており、これを妨げるような障壁は撤廃する必要がある」と付言しています。

 

この報告書では、欧州連合にとって重要とされる市場において確認された障壁がリストアップされ、ロシアについては最も多く7件が、また中国については6件、インドとブラジルはそれぞれ4件、またアルゼンチンと米国はそれぞれ3件が主要な障壁として指摘されています。
具体的な障壁の内容としては、現地で生産された物品の使用要件、特定の恩典を受ける条件としての現地製造要件、さらに国内生産者に有利な租税面や補助金支給面での差別的扱い等が貿易歪曲的な措置として挙げられています。中国を含むかなり多くの国において同じような措置が導入されていること、あるいはその導入が検討されていることを考えると、今後さらに大きな懸念材料になるとも述べています。

 

以上のほか、ブラジル、中国、米国、ロシア等の国では衛生上の理由による食品関連の障壁が多いこと、また中国や米国における知的財産権に係る問題点も指摘されています。
日本に関する記述では、欧州連合と日本の間の包括的な経済連携協定締結交渉の過程で非関税障壁についての改善が一部認められたとしつつも、今後さらに衛生植物検疫上の措置や政府調達面の改善を図る必要があるとしています。
欧州委員会は、欧州連合の「市場アクセス戦略」に基づいて、関係国との交渉や国際ルール上認められている権利行使等の様々なツールを使ってこのような障壁の撤廃を求めたいとしています。

 

この貿易及び投資の障壁に関する報告書は、2010年の欧州委員会の「貿易、成長及び世界の状況」と題するコミュニケーションにおいて設けられた貿易上の権利行使戦略の一環を成すもので、2011年以来毎年この時期に欧州理事会に提出されるものです。その目的は、欧州の企業が直面している貿易、投資面の障壁の撤廃についての進展状況をレビューした上で、欧州企業がグローバルな市場へのアクセスを確保できるよう欧州委員会が今後取るべき措置を明確にするためのものとされています。

 

(出典:2015年3月19日に公表された欧州委員会のプレスリリース及び「貿易及び投資の障壁に関する報告書」より)