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EU、シンガポールとのFTAに仮調印(EU)

 

●EU

欧州連合(EU)は、9月20日シンガポールとの間で包括的な自由貿易協定(FTA)に仮調印したことを発表しました。この協定について、欧州連合は、東南アジア諸国との最初の協定であり、他のアセアン諸国とのFTA締結への足掛かりになるとして、その重要性を強調しています。また、欧州委員会が発表したメモランダムの中で、欧州連合の加盟国と競争関係にある国が環太平洋経済連携協定(TPP)や東アジア地域包括的経済連携協定(RCEP)の交渉においてそれぞれの国の企業に対する特恵的な待遇について交渉していることにも言及し、欧州連合としては独自の交渉を通じて欧州連合の輸出企業を今後連携協定の成立によってアジア市場において競争力が喪失しないよう保護するとしています。

 

欧州連合とシンガポールとのFTA締結交渉は、2010年3月に開始され、昨年12月に終了しています。

 

欧州連合を代表して本件交渉を担当したシュレーゲルミルヒ交渉官は、「本日、これまでに交渉した貿易協定の中でも最も包括的な協定の一つであるシンガポールとの自由貿易協定に合意し、それぞれの関係機関の承認を求める運びとなったことを嬉しく思う。欧州連合とシンガポール間の物品の貿易額は、一週間で10億ユーロに達しており、この協定によって両者間の更なる発展のための基盤が形成されることとなる。今回の協定は、世界における2つの大きな経済統合地域(欧州連合とアセアン)並びに11億人の市民の経済的な結びつきをより一層緊密化させる第一歩となるものである」と述べています。また、欧州委員会で通商を担当しているカレル・デ・クフト委員は、「本日の仮調印はこれまで交渉してきた内容を確定するものであるが、この協定を承認するかどうかは、両当事者の今後の決定如何による。欧州連合の場合は、すべての自由貿易協定に共通していることであるが、欧州議会が最終的な判断を下すこととなる」とコメントしています。

 

欧州委員会は、今回の自由貿易協定(EUSFTA)は、両当事者間の経済的な効果を越えて、地域的な視点から捉えることが必要であるとし、東南アジア諸国への門戸を開くための第一歩となり得るもので、欧州連合はマレーシア、ベトナム及びタイとFTA交渉を行うこととしており、EUSFTAはそのための貴重な先例となると述べています。さらに中産階級の拡大に伴って、ダイナミックに成長を続ける東南アジア諸国の経済は欧州の輸出企業にとって最重要な市場であり、包括的な自由貿易協定を締結することによって同地域の潜在力を取り込むことになるとしています。

 

この協定は、今後加盟国の言語(24言語)に翻訳され、欧州委員会の正式の承認を受けた後、閣僚理事会にかけられ、最終的には欧州議会の票決によって決まることとなります。

 

欧州委員会の発表によれば、EUSFTAの特徴として次の点があげられています。

  • サービス貿易及び政府調達の分野で、世界貿易機関(WTO)のそれぞれの協定上認められている待遇以上の待遇を相互に供与する。
  • 電気通信、宅配便や郵便サービス、金融サービス、国際海上輸送等のサービス分野で新たな進んだ規制の枠組みを設ける。また、サービス分野においては、許認可等についての透明性や無差別性を確立し、さらに今後、専門職の資格について相互承認性の導入を図る。
  • 外国直接投資機会を新たに開く。
  • 自動車やその部品、エレクトロニクス製品、環境技術等の分野に見られる二重のテスト要件のような貿易上の技術的障壁を撤廃または緩和する。
  • 事実上すべての関税を撤廃する。欧州連合については5年間の移行期間を設ける。シンガポールは欧州連合からの輸入にすでに適用している無税扱いをバインドする。
  • 検査、審査体制を国ごとに一本化し、食肉の輸出を促進する。
  • 知的財産権の保護及び執行面のレベルを高める。例えば、シンガポールは地理的表示(GI)の登録制度を新たに導入し、WTOのTRIPS協定(知的所有権の貿易側面協定)以上のレベルの保護を欧州の地理的表示に対して供与する。
  • 輸出者のための制度上の枠組みとして、透明性が高く、競争を促進するルールに基づく新たな枠組みを設ける。今後、仲裁委員会や調停委員を通じた効率的な紛争解決を目指す。

 

(出典:欧州委員会発表の9月20日付けのプレスリリース及び同日付けのメモランダムより)