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カナダ・オンタリオ州の再生可能エネルギー発電分野に関する措置 についてWTO上級委員会が報告書を公表(EU)

 

●EU

5月6日、世界貿易機関(WTO)の紛争解決手続に基づいて、欧州連合(EU)及び日本がカナダに対して申し立てていた紛争案件「カナダの再生可能エネルギー発電分野に関する措置」について、申立ての内容を概ね認め、オンタリオ州において導入されている風力及び太陽光発電のスキームは差別的な条件が用いられWTOのルールに抵触しているとするWTO紛争解決上級委員会の報告書が公表されました。

 

欧州連合(EU)の発表によれば、オンタリオ州においては、2009年に電力の長期固定価格保証制度(Feed-in Tariff Program:FITプログラム)を設け、再生可能エネルギーについて、その高コストの発電費用を補償し、クリーンエネルギーの使用割合を高めるため、市場価格を超える支払いを行うこととなったとされています。欧州委員会は、多くの国でもこれに類する措置がとられているとしつつも、あらゆる技術について国の内外を問わず、無差別で、開放的である限りにおいてこのような措置は合法的といえるが、オンタリオ州の場合には、国内の製品や役務を優遇することを条件としているとしています。すなわち、風力及び太陽光発電装置について「FITプログラム」の適用を受けて契約を結ぶためにはオンタリオ州で調達した装置を一定の割合で使用しなければならないとされており、具体的には、国産品の使用割合は、太陽光発電装置については60%以上、風力発電装置については50%以上となっていると説明されています。このような条件が付されていれば、国産品の購入を意図的に誘因することとなり、類似の装置を輸出しようとしている欧州連合等の外国の製造者にとっては不利な状況におかれることになるとしています。以上のほか、競争が制限されれば、風力及び太陽光の発電コストが引き上げられ、オンタリオ州の家庭や工場では高い料金の電力を使用しなければならず、ひいては環境にやさしい技術への移行を妨げることとなるとしています。

 

本件に至る経緯を見ると、EU及び日本の申立てについて、2012年12月19日、WTO紛争解決小委員会(パネル)は、オンタリオ州の措置は輸入品を差別するもので、WTOのルールに抵触すると結論付けました。これに対して、カナダ政府が2013年2月5日WTO上級委員会に上訴し、これを受けて同上級委員会の報告書が5月6日に発表され、カナダの上訴の内容は認められず、オンタリオ州の差別的な措置はWTO協定に抵触していることが再度確認されています。

 

今回の上級委員会の報告書に関して、EUスポークスマンは「本日の決定はクリーンエネルギー及び環境に配慮しているすべての人にとって朗報である。上質で、費用対効果の高い技術の使用は、保護主義的な措置によって阻害されるべきではない。」「EUは再生可能エネルギーの促進を支持するものであるが、その実現のためには国際的な貿易ルールを遵守する方法で行われるべきである。」と述べています。

 

この報告書は加盟国への送付後30日以内に開催されるWTO紛争解決機関によって採択され、カナダはこの決定を実施するためのプランをその後1ヵ月以内に提出することとなります。

 

(出典:5月6日付けのWTO及びEUのプレスリリースより)