2010年7月23日更新
●EU

■エアバスへの補助金問題に関するパネル裁定■

 −EU、WTO上級委員会に上訴を決定−


   7月21日、欧州連合(EU)は、本年6月30日に出されたWTO紛争解決小委員会(パネル)の裁定に不服があるとして、本件を上級委員会に上訴する決定をしたことを明らかにした。

   EUは、パネルの裁定では、米国の提起した争点について、EUの立場を認めたうえで米国の主張を却下した点が多いとしながらも、裁定には事実関係や法的な点に誤りがあるものもみられるとしている。特に、EUは、返済されることとなっているエアバスA380向けの開発補助金が輸出補助金とされていること、エアバスへの支援とボーイングへの悪影響との因果関係に言及されていること、EU加盟国が提供したインフラのうち、エアバスが市場レートで使用料を支払うこととなっているものについても補助金としていること等の問題点を挙げている。

   欧州委員会の域外貿易担当のGucht委員は、「WTOの紛争解決制度は、パネルの犯した法的な誤りを正すために異議申立てを認めている。・・・この紛争は、パネルの誤りを放置するには余りにも重大な問題である。また、異議申立てをしなければ、WTOの加盟国にとって悪しき前例をつくることとなる」と付言した。

   EUは、本件紛争は、別途EUが米国を相手として申し立てているボーイングに対する補助金問題と共に、事実関係についても、また法的な点についても、前例のない複雑な紛争であるとし、パネルの法的解釈の一部をそのまま認めればWTO加盟国全体に対して害悪をもたらすに留まらず、エアバス及び関係加盟国に不当な負担を強いることとなるとしている。

   米国は、本パネル裁定を7月21日に予定されている紛争解決機関で正式に採択するよう要請した模様であるが、EUはその採択を防ぐため、紛争解決機関の会合に先立ち、上訴を決定したとしている。なお、ボーイングの案件についてのパネルの中間報告は、本年9月中旬には出されることが見込まれている。


   (出典: 7月21日付の欧州委員会プレスリリースより)



  ※過去の関連ニュース 

     「エアバスへの補助金に関するWTOのパネル裁定」(WTO)
       − EU加盟国等のエアバスへの補助金は、一部WTOルール違反−
                                                                                           (2010/7/5日 更新)




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