越境取引やEコマースの隆盛を背景に、国際郵便物の取扱量が近年、増加傾向にあります。国際郵便物の通関手続は簡易通関や賦課課税といった、通常の国際貨物と異なる点も多くあり、どういった現物の流れや法令手続が行われているか、イメージがつかみづらいと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
　また、2010年の再国際化から8年を迎え、貨物取扱量が一貫して対前年プラスを更新し続けている羽田空港の現状をご覧戴ければと考えております。
　今回の実地研修では、まず午前に川崎東郵便局内の横浜税関川崎外郵出張所を見学し、国際郵便物の通関の流れを体感していただきます。 また、国際郵便を通じて日本に入ってくる知財侵害品を差止めるのも、税関の重要な使命です。近年、アジア諸国から急増する知財侵害品の取締り状況や法的手続についても、理解を深めていただきます。
　午後は羽田空港貨物地区へ移動し、東京税関羽田税関支署から、羽田空港地区の概要や一般航空貨物の通関手続についてのレクチャーを受け、その後は国際貨物に係る検疫――動物検疫・植物防疫――の法的手続や実際の検査状況をご覧いただき、航空貨物に係る諸手続の一連の流れを理解していただきます。最後は、貨物地区内の保税蔵置場へ移動。実際に航空貨物が蔵置され、荷役されている現場をご覧いただき、航空貨物のスピード感を体感していただきます。
　近年、取扱いが増加している国際郵便やここ10年弱の環境変化でダイナミックな動きを見せる羽田空港の現況から、首都圏を取り巻くスピード感のある国際貨物の、まさにリアルタイムな「いま」をご覧戴く研修となっております。