インドネシアにおける知的財産侵害物品水際取締に関する大統領発出

 

権利者が長年待ち望んでいた、インドネシア税関による模倣品の水際取締りに関する手続細則をさだめた大統領令が6月2日に公布され、本年8月2日から施行されることとなりました。当該手続きは、商標権及び著作権の税関登録の方法及び登録に基づく税関差止等を定めたもので、今後より詳細な手続きを定めた財務大臣令等が出される予定です。概要は次の通りです。

1. 商標権及び著作権の権利者は、インドネシアにおいて当該権利を正当に有している等の証拠を添えて、税関に対し輸出入差止申立の登録申請を行う。税関は、原則30日以内に当該登録を行うか否か決定。

2. 商標権及び著作権の税関への差止申立登録の有効期間は1年(延長可能)。

3. 当該税関登録に基づき税関が侵害疑義物品を発見した場合、権利者にその旨を通知。

4. 権利者は、当該疑義物品の通知を2日以内に確認し、輸入差止の依頼を行う場合は4日以内に、商業裁判所に対し模倣品である証拠等必要な書類を添えて輸入差止請求を申請。その際、税関検査の保証金として1億ルピア(約7,500米ドル相当)の銀行又は保険会社の保証書を提出。

5. 商業裁判所は、輸入差止を認めるか否か2執務日以内に決定。決定の翌日に決定内容を税関に通知。

6. 商業裁判所の決定を受領した税関は、権利者、輸入者又は輸出者、及び知財局にその内容を通知。

7. 権利者は、商業裁判所の決定から2日以内に、侵害疑義物品の検査日程を税関に提出。

8. 税関は、商業裁判所の差止命令書発出日から10日間、当該輸入・輸出貨物の通関を留保。権利者が追加の検査費用保証金を提供することにより更に10日間通関を留保することが可能。

(出所:ラウス知的財産専門法律事務所)