CIPIC主催 知的財産権侵害物品水際取締り講演会を開催

 

  日本関税協会知的財産情報センター(CIPIC)では、毎年模倣品対策の水際措置に関する最新の話題について、有識者や関連省庁の専門家をお招きし、講演会を行ってきています。

  本年は、4月4日(火)午後2時より連合会館において、黒瀬雅志弁理士から「中国模倣品対策の最近の重点課題」と題して、また、財務省関税局業務課知的財産調査室加藤室長から「知的財産権侵害物品の税関による水際取締りの現状と権利者との連携強化」と題してそれぞれ講演をしていただきました。

  黒瀬先生からは、①中国の模倣品対策において日本企業はどの様な課題を有しているか、②日本は中国政府に対しどのような要請をしているか、③中国政府は模倣品・海賊版問題についてどのように取り組んでいるか、④より効果的に模倣品対策を行う方法はないか、⑤技術模倣への対処の重要性・技術流出防止対策について、事例を含め詳しく解説していただきました。

  中国はリバースエンジニアリングのレベルが高く、高性能な部品も入手可能であることから引き続き模倣品の国際競争力が強いこと、インターネットの発達により容易に海外市場にアクセス可能であること等から、中国政府による模倣品対策強化にも関わらず、中国からの模倣品流出は引き続き高いレベルで継続されるであろうとの見通しが示されました。

  加藤知的財産調査室長からは、平成28年において日本税関が差止めた知的財産権侵害物品の実績に関し詳しい説明が行われました。併せて、日本の知的財産権侵害物品に関する水際措置の解説及び平成29年4月から導入された知的財産権侵害物品水際取締りに関係する各種申請書の電子化手続きについて詳しい解説が行われました。

 CIPIC講演会の詳しい内容に関しましてはCIPICジャーナル5月号及び6月号に掲載する予定にしております。